グッピーの求愛 〜マーケットにおける模倣の役割〜
メスのグッピーは遺伝的に,明るいオレンジ色のオスを好みます.
では,明るいオスを好む普通のグッピーを,明るくないオスを好むグッピーのグループに混ぜたらどうなるでしょう?
驚くべき事に,本来明るいオスを好むはずの普通のグッピーが,周りと同じ様に明るくないオスを選んだのです.
つまり,遺伝的な本能を放棄し,文化に影響されたのです.
【ざっくりまとめ】
多くのヒトは哲学を持って行動しているが,時として模倣が意思決定に大きな影響を与える事がある.
【注目ポイント】
・正のフィードバック/負のフィードバック
- 正のフィードバックは,初期変動を加速させる働きがある.
- 雪だるま式,カスケード,増幅
- 負のフィードバックは,変動を押さえる働きがある.
- 裁定取引*1.
・群衆行動について.
1.ミューチュアルファンド*2
・群種行動によって買った銘柄は,群衆行動によって売った銘柄よりも,その後6ヶ月間の利回りが4%高い
2.アナリスト
・アナリストは自分の推奨を行う前に,ほかのアナリストの推奨を参考にしている.
3.ファットテール*3
・単純な群集心理モデルを使って,われわれがマーケットで経験しているファットテールの価格分布を作る事に成功.
・投資家が合理的であるという課程にもとづいた分布よりも,はるかにリアルだった.
【結論】
・模倣はファンダメンタル分析によるアプローチから逸脱した行動をとらせ,リスキーな局面へと導く危険性がある.
【感想】
・往々にして,アナリストの意見を鵜呑みにしてはいけないとは良く言われるが,カリスマアナリストがいて,その人のいうことに群衆行動が起こればカリスマアナリストはさらに,カリスマになり....というループが続くのだろうか?でも,きっと途中でその群集心理からおいしいタイミングで降りるヒトが現れて,最後には負のフィードバックが働くんだろうなぁ〜.