ハードウェア設計とソフトウェア設計の違い(3/3)


最後の違いは直材費です.言い換えるならば利益率の違いです.
今回はソフトウェアに比べてハードウェアにとって分の悪い話になります.


なぜなら,ハードウェアは材料が必要不可欠だからです.
特に近年の,エレクトロニクス化に伴って,LSIの入っていない電気製品なんてほとんど存在しません.
結果かなりの点数の部品を使う...購入する必要があります

一方,ソフトウェアの場合はどうしょうか?
システムの場合はコンピュータさえあれば良いコトも多く,よほど特殊なシステムでない限りその費用のほとんどが人件費に当てられています.*1



モノに依るので何とも言えないけれども,製造業の場合,多いところで7割少ないところで3割程度は材料費です.
ハードウェアは...もっと言うと製造業の利益率が低いのはココに原因があるのはこの前も書きました.
なんと言っても第二次産業なんです.



では,いまや第四次産業とも言われるIT業界.つまりソフトウェアの場合はどうでしょうか?*2
恐ろしい事に,ソフトウェアはその気になればいくらでも削る事が出来ます.*3



じゃぁハードウェアの場合はどうやって利益をだしているのでしょうか?
少ないところでは3割しかない人件費をさすがに削る事は出来ない.
なんと言っても組立てるのに,人件費は必要不可欠です.

かといって,材料費は削る事が出来ない....かの様に見えます.

でもね.
その材料を購入する子会社からの仕入れを値を叩く事で,この問題を解決している事が多かったりします.
さらにその子会社もモノを作っている以上原料を購入する必要があります.
原料の値段はそう簡単には叩けない.結果,人件費を削る事になります.

こうやって,自社の社員が痛みに耐えるのがソフトウェア業界.子会社が痛みに耐えるのがハードウェア業界なのかもいれませんね...

って,設計の違いではなくなってしまった事は気になさらず....

*1:ここでのコンピュータはサーバ及びPCの事とする.

*2:IT業界は第四次産業だと思っていたんだけどそうでもないんだね.http://d.hatena.ne.jp/shinpei02/20061018

*3:これはこれでも問題なのですが....