IBM SOA CONFERENCEに行ってみた

takashi42332008-05-21

場所は恵比寿ガーデンプレイス

人の多さに驚く.入場者数が1100人超えしたらしい.
IBMってまだコレだけ人を集めるパワーがあったんだ...って言うのが正直な感想.

SOAについて,一切調べる事無く,聞きに行って覚えた事や感じた事を書いてみる.

1.そもそもSOAとはなんぞや?
SOA(Service Oriented Architecture)サービス指向のアーキテクチャ
SOA is now!! と言っても過言でないくらい盛り上がっている(実際の導入事例は海外の方が多い当たり,日本はこれから?って感じ.)
導入実績が昨年度67%増加というから驚き.

では,具体的にSOAとは何なのか?
ガートナー社の偉い人が,直感的に分かる言葉で表現してくれたのでコレを引用してみる.

「データーベースへのアクセスから,データーベースサービスへのアクセスへ」

うん,なるほど.
データーアクセスサービスという一つのアプリケーションを開発する事で,
業務内容との結合度を下げようという趣旨.
業務内容が変化しても,システムを作り直す必要は無く,再構成し直す事で対応できると言った認識.

今までみたいに,縦型・アイランド型な情報システムではなく.
アプリケーションのレベルを実際の業務の粒度で開発し,それを複数のシステムで使いましょうということ.


実に分かりやすいけど,じゃぁ,いわゆるオブジェクト指向とは何が違うんだ?って疑問が湧いてきます.
そこで,SOAの次の特徴が登場します.

既存のインフラやシステムを入れ替えるのでなく再利用しましょう.

企業買収等で,買収先の既存システムを買収した会社のシステムにそう入れ替えするなんてナンセンス.
既存のシステムに,ラッパーをかけて,EBS(エンタープライズ・サービス・バス)に乗せちゃえばデータを吸い出せるって感じ.




2.IBMはこのカンファレンスで何をしたかったのか?
答えは簡単である.「WebSphereを売りたい」
このヒトコトに限ると思う.

昼一番のセッション,『再利用、パーソナライズ、データの視覚化を駆使したポータル・サイトの実現方法』
なんて,WebSphereの宣伝だけで終ったような気がする.
何にせよ,あれだけのお金をかけたイベントを無料でやるんだから.
誰か買って上げても良いんじゃないかと思う.



3.一番おもしろかったセッション
ボクが受けたのは,

SOA実現への提言」
IBM IMPACT2008ラスベガスからの最新メッセージ」
「日本企業におけるSOA適用の現状と方向性」
SOAを支えるIT基盤の最新テクノロジーと設計の際の考慮点」
「再利用、パーソナライズ、データの視覚化を駆使したポータル・サイトの実現方法」
「グローバル・デリバリーを見据えたSOAの「品質」」
BPMの始め方 IT視点とビジネス視点のアプローチ

一番おもしろかったのは,「グローバル・デリバリーを見据えたSOAの「品質」」
プレゼンター良かったのもあるけど,この日のカンファレンスの中で最も中身があった気がする.*1
簡単にまとめると,「ソースコードの再利用に留まらず,テストデータも再利用する事がSOAでは大事ですよ.」って話.


テストをしたなら,「どの環境で」「どんなテストを」したのかをコードと同様に管理しましょう.
そうしてアプリケーションの限界値を明確にしましょう.


確かにボクの会社でもテスト作業なんて運用テスト程度しか本格的にはしない.

時間もないし,人手もない.プレゼンターの言葉を借りるならバランスを重視する為に,
単体テスト結合テストも,プログラマが常識の範囲でするという状況になっている.

Javaでの開発がメインなので,既存の資産も流用しながらプログラムを組むんだけど.
何か人が作ったコードって信用出来ないってのはプログラマなら誰でも一度は感じた事があると思う.
結果「似て非なるもの」を再開発して,無駄な時間やコストが発生する,そしてまた,テストに使うリソースが失われる.

コレを避ける為にも,SOAのアプリケーションの粒度でテスト内容を共有する事で,
再利用する際にも,テストを省略する事が出来る,他のシステムでの運用実績があるからね.



以上!!

*1:SOAに特化した内容では無かったからかな?ただまぁ,どのへんがグローバルデリバリーなのかは知らないけど,....