この春,製造業に就職する情報系の学生へ(4/4)
今回で最後です.
最後は,「それでも製造業は楽しい」って事について書こうかと思ったのですが,
それよりも大事な話があったので,そちらにします.
今回のこの壮大な独り言は,この春就職する学生の高まった意識を抑制する為の文章にするつもりでした.
意識が高まったまま就職してしまうと,結果として就社になってしまうヒトが多いからです.
では,最後は情報系の学生が一番気になる「ソフトウェア」についてです.
この話のなかで「ソフトウェア」は2種類あります.
「利用するソフトウェア」と「作成するソフトウェア」である.
1.「利用するソフトウェア」について
まず,あなたは先輩のPCを見て衝撃を受けると思う.
そして,サーバールームを見れば,さらに焦りを感じると思う.
この会社で3年もすれば,情報業界では生きていけないんじゃないか?
浦島太郎になるんじゃないだろうか....と.
少なくともボクはそう感じた.
先輩のPCのOSがwindowsNTだったこと.
社内のOfficeが97〜03とバラバラなこと.
社内システムの対応ブラウザの欄に,IEとNetscapeと書いていること.
そして,設計部門が課内のスケジュールの管理を共有サーバにおいた,Excelで管理していること.
そして,サーバールームを見て驚いた.
普通のフロアの一角に「計算機室」と書かれた看板があり,
中に入ると思いのほか簡単いサーバの端末に触れる事が出来てしまう.
ボクの先輩はこう言った,「サーバルームなんて顔パスだよ.」
そして,今までに見たどんなサーバルームより...サーバ数が少なく狭い....
何か新しいソフトを開発やサーバ,システムに利用しようと思った場合.
注意するべき事は,3つ
1.実績
2.ライセンス
3.価格
3が無料ではなかった場合,さらに1が重用視され,
4.費用対効果
が重要項目に追加される.
正直,新人君が「費用対効果」なんて言えるわけが無いからこぅ聞き返せば良いんです.
「具体例を教えてもらえますか?」って.
そうすれば「定性効果」と「定量効果」の違いについて教えてくれると思う.*1
2.「作成するソフトウェア」について.
あなた方がこの春最もやってはいけない事は,Ruby,Python,schemeなどの最先端の言語に触れる事である.
正確には,それを会社で利用しようと思って触れることである.趣味で行うことにボクは口を出すつもりはない.*2
だいたい,このブログもRubyの勉強用に始めたんだし.
あなたがこの春,就職するまでにするべき事は,2つ
・Java,組み込み技術が必要な現場であればC++と言ったビジネスにおいて十分な実績のある言語の取得
・あなたが今までに作成したプログラムのKL(キロライン)とそれを作成するのに必要とした時間の把握
である.
1つ目は,ビジネスの現場ではもはやJavaはスタンダードです.
うちの製造管理部では,一部の人たちは未だにコボラーですが,ボクらはJavaでコーディングをしています.
そして,うちは組み込みが多いので,設計の人たちはC++で作業をしています.
2つ目は,これをさらっと言えるとあなたの初期評価は確実に上がります.
会社でコードを書くときは,「KLいくらで人工がいくら」と言った計算方法で,
開発プランを立てます.
つまり,2つ目の項目を実施しておく事で,あなたは自身のスキルを定量的に表現する方法を得るわけです.
仕事で書くコードと,研究や趣味で書くコードは大事な事が違います.
研究や趣味で書くコードは,いかに実現するかが要点になってきます.
仕事で書くコードはいかに安くするかが要点になってきます.
以上で「この春,製造業に就職する情報系の学生へ」は終わりです.
信じられないぐらい多くの人がこの記事を読んでくれてブログにリンクを張ってくれたりしています.
今週末には,リンクやコメントに対してコメントを返すつもりです.
「それでも製造業はたのしい」っていう事も書こうと思います.
なんにせよ,ボクが一番言いたい事は,常に冷静で一歩引いた立ち位置で見る方が良いですよということです.