QC活動

なんかこんなニュースがあった.

QC活動を業務認定
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080522/biz0805221039002-n1.htm

QC活動に「残業手当支給」 そんな会社は半分以下?
http://www.j-cast.com/2008/05/22020465.html

で,いろんな人がコメントを書いてるね.
http://d.hatena.ne.jp/doradoramf/20070521
http://d.hatena.ne.jp/SY1698/20080109
http://d.hatena.ne.jp/yoiijima/20071201


新米製造業社員のボクもヒトコト書いてみる.

QCというのは,Quality Control(品質管理)の事です.
こういうのってパッと読むと凄い感じがするけ実は品質管理以外に大事な目的があったりします.

ボクが聞いた事例では,QC活動の本当の意味は,現場の作業者に頭を使ってもらう事だそうです.
失礼な話だけど,生産ラインの作業って言うのは,その気になれば何も考えないでも出来る.
生産量との戦いだから,数を回さない意味がないけどね.


じゃなんで生産機械を導入しないの?っという疑問には次の2つの答え.
1.携帯電話のように商品の回転周期が早い場合,生産機械を導入する方が人件費よりも高くつくから.
2.部品が細かい精密電子製品の場合,生産機械ではクリアしないといけない技術課題がいまだに多い.
3.自社製品の妄信的な顧客を持つ事が出来る.(自分の作ったモノは買いたくなるし,人に自慢したくなるでしょ?)


閑話休題
さて今回お話したいのは,何でQC活動をするのかという事です.
QC活動の一番の理由は,先述の通り,「現場の作業者にも頭を使って貰うこと」です.
それにより,以下の2つの効果が期待できます.


1.自身が改善した業務プロセスなので,業務に誇りを持つ事ができる.(意識の向上)
2.QC活動により捻出したアイデアの結果,作業ミス削減や作業時間短縮.(コストの向上)


この2点は完全に会社に取ってプラスになるけど,作業者に取ってはプラスにならない.
作業時間が短縮されても早く帰れる訳じゃない.給与が増える訳じゃない
だって,給与は固定月給+残業代だもん.
早く終っても,また別の作業が増えるか,残業代が減るだけ.

一時的にQC活動の賞与が出るかも知れないけど.永続的に利益をだせるQC活動報告に対して,金一封では割にあわない.


そして極めつけはコレである.

3.QC活動が評価される事で,さらに業務改善に取組み先のまた別の成果を上げる事ができる.



このように会社に取っては,完全に正のサイクルを作成する事ができるのです.
会社としては良いコト尽くめなQC活動.作業者としては旨味の無い作業ですね.

これに対して残業代が支払われる様になったのはとっても良いコトだとボクは思いますけどね...
むしろ,いままで払ってなかった企業が多い事に驚きですけど.ボクの会社がどうかは内緒.




さて,案外知られてないかも知れませんが,QC活動と同じ感じの内容で
ヒヤリ・ハット - Wikipediaというのがあります.

これも,作業者が日々の業務の中で「今は重大な事故にはなってないけど,このまま続けると危ないよ.」
というのを報告するものです.

これってさ,案外評価されないんだよね.
本来ならその重大な事故が起きた場合の損失額を未然に防ぐ事ができたんだから評価に値すると思うんだけど.
「あー危なかったね.注意してね」ぐらいで終っちゃう.


これも正しく評価するシステムを設けた方が良いとボクは思うけどね.