その転職ちょっと待った!

タイトルに負けて購入して中身を読んでみたんだけど.内容をまとめる以下のような感じです.
・タイトル通り転職抑圧書籍.
・転職希望者の希望理由を読んで,筆者が少し広い視野でその転職の意識を削ぐという流れ.

20程度の事例が表示されていますが,全部その転職ちょっと待った〜な形になっています.
やれ「人間関係が悪いのはどこも一緒.」とか「上司はあなたを褒める為にいるのではない.」などと
徹底的に,転職を止める解答になっています.


次の2点が気になったので書いてみる.
・筆者は産業医
筆者は産業医なのです.
医者という安定した仕事のヒトにボクら会社の一社員の事がホントに分かるのかなぁ〜?


ボクら会社員に取って,会社が倒産したり・リストラされたりと,いつなんどき職を失うかわからない.
大企業だって油断できない.倒産とまでは行かなくても事業を撤退する事は最近は当たり前になっている.


そんな中,最近の若い世代は,会社との結合度を疎に保とうとしている.
会社との結合度を下げ,事業を興す為に準備をするヒト,自身に揺るぎないスキルや資格を得ようとするヒト,
株や投信でベーシックインカムを確保しようとするヒト,副収入を持って最低限の生活費を確保しようとするヒト.
など,必死に努力をしているヒトも多い.*1


転職希望理由に対する解答を読んでいると,それは奇麗事だよなぁ〜って思う部分が多すぎる.

「若いうちは何も考えなず,なんでもやれ」というスタイル.一理あるとぼくは思います.なぜかというえば,自分が何に秀でている
かなんて,考えてみたってわからないからです.やってみなければ,所詮は何もわからない.
(第3章 「上司に恵まれないから」と会社を変わるのはネガティブか P91)


確かにそう言われると反論は出来ないけど,どうにもならないような仕事を3年続けさせられて,契約が切れる派遣社員はどうですか?
「対人関係が養われる」とか言うヒト多いですけど,あれって出来ないとマイナスだけど出来てもプラスにならないと思います.


3年以内にやめる新卒が3割と言われる世の中,できれば何か次に繋がる仕事をしたいと思うのは間違いなのでしょうか?
「職業に貴賤なし」ってのはわかりますが,明らかに何か違う仕事をさせられては,若い芽を摘んでいるのと同じだとボクは思うけどなぁ〜.



・どういう時なら筆者は転職をすすめるのか?
基本的に転職を進めない筆者が一カ所だけ転職するしか無いと記述した場所がある.*2

以下質問内容

先輩に教えられたとおりにやったら,上司に怒られた事がありました.(中略)その上司と先輩は日頃から仲が良いだけに,上司から叱られたことを先輩に正直に告げても暖簾に腕押しです.(中略)

以下解答内容

何もせずに静観するのは,好ましくありません.完成を是正する必要があるわけですが,それは本来,上司からすべき事です.(中略) 
ならば,あなたからお願いして,二人の上司を交えて三人で一緒に食事をしたらどうでしょう.職場から離れて,時間を共有してみてはいかがでしょうか.食事というのは距離をつめるのに有効な手段です.相手からの返事が「ノー」であれば仕方ありません.この職場から出てゆくだめに,社内異動を申し出るか,そうで無ければ社外に出る.つまり転職するのも手だてだろうとぼくは思います.

(第4章「いまひとつ決断できない問題へのヒント」P120)


筆者は,基本的には転職希望者自身に問題があると指摘する.
簡単にいうと,職場環境が悪いのなら自分から改善する努力をしろと.
それでも,無理なら転職しろといいます.
この辺は結構同意できますね.


まぁ,あれだね.梅田望夫さんの本とかさ,
「このつまらない仕事をやめたら,僕の人生は変わるのだろうか?」

このつまらない仕事を辞めたら、僕の人生は変わるのだろうか?

このつまらない仕事を辞めたら、僕の人生は変わるのだろうか?


とかと真逆に位置する本かもね.


すっごく主観で申し訳ないけど.読んでて何か違和感がした.

*1:もちろん,それが正しい姿かと言われればボクは何とも言えないけど.

*2:他にもあったらごめんなさい.