第4章 役に立つ理論と役に立たない理論 状況に基づく分類の重要性

takashi42332008-09-04


【ざっくりまとめ】
理論が役に立たないと評価される事が多いのは,その状況分析が出来ていないからであるという章



【注目ポイント】
理論構築の3つのステップ*1
1.理解したことを言葉と数字で説明する.
・事象を注意深く観察する.


2.類似の事象を分類する.
・分類により世界を単純かする.


3.事象の動きを説明する理論を構築する.
・十分な分類に基づく確固とした理論は因果関係と,その発生する状況下を説明出来る.


また理論は反証可能であり,一度3までたどりついたなら,様々な状況のもとで実験を繰り返し1に戻りさらに理論を改良する必要がある.
実際は多くの理論が,自信の理論が誤りでない事を証明するのに精一杯である.

また,理論はその構築の過程で分類を行っているので,
ある理論を用いて結果を予測する場合は,その理論が正確に適用される状況下でなければならない.

バリュー株投資の理論において中核的とされる「株価収益率の低い銘柄に投資をする」という戦略も,過去125年の値動きを見るとあまりいい結果をだしてはいない.

【結論】
理論の構築手法を考えれば,有効な理論は状況を反映していることが明らか.しかし,多くの投資家は属性*2のみに基づいたアプローチをしている.


【感想】
・雑誌等にのっている,金言チックなモノに騙されない様にしよう.
・しかし,金言チックに表現されている以上それなりの理由があるので,その金言がうまく機能する状況とセットで覚えておく.

*1:クレイトン・クリステンセン,ポール・カーライル,デイビッド・サンダール

*2:大型株・小型株/株価収益率など...