■
スターバックスの株価がもの凄い勢いで落ちてしまって.
好きな馬に賭けるんじゃない,勝てそうな馬に賭けるんだ.
(古い友人)
昔,ボクを強引に競馬場に連れて行ってくれた先輩が言ってた事をフと思い出しました.
さて,少し勉強をしようと,投資の科学(文末参照)を読んでいきます.
全30章なので,丁度今月いっぱいで終る予定です,あくまでも私的覚え書きです..
第1章 カジノの胴元になろう.投資の過程と結果について
十分に勝ち目がある状況で最善のものに賭けるときには,実際にその賭けに勝とうが負けようが,何かしらを得ている.同じ理由から,勝ち目が薄い状況で最悪のものに賭けるときには,実際に勝とうが負けようが,何かしらを失っている.
デイビット・スクランスキー(ポーカの理論)
いきなり,かっこいい事が書いてあってビックリ.でもそれと同時に投資の科学というタイトルの第1章がカジノの胴元になろうとは....
結局株式投資も,賭け事なのかも知れませんね.
さて,ルービン*1の4原則についての記述がありました.
ルービンさんは現在はシティグループ Citigroup の経営執行委員会会長です.
内容が興味深かったので記しておきます.
1.唯一確かなのは,確実なものはないということである.
・人々は自分の能力や予測を非常に信用しており,結果について非常に狭い範囲で考えがちである
・実際は,想像絶する出来事が多々起きている(テロ攻撃や世界大戦など)
・投資家は広範囲の結果を考える訓練をする必要がある.
・訓練の方法は,「避けられない驚くべき出来事」の兆候に注意を払うこと.
2.意思決定においては確率についてよく考えるべきである.
・ある結果が生じる確率とその結果によるペイオフを比較する必要がある.
・損失は同規模の利益の2.5倍のインパクトを持っている.
・成功率や成功回数ダケではなく,得られる利益の期待値で考える.
3.不確実性があるにも関わらず,われわれは行動しなければならない
・情報量の増加は,精度に繋がるとは限らない.
・情報量の増加は,確信や自信に繋がる.
4.意思決定を評価するには,結果だけではなく,その過程も考慮すべきである.
・良い過程=その価格が期待値に見合うかどうか注意深く考慮すること.
・あるヘッジファンドマネージャは,ターゲット価格ではなく,期待値を提示することで成功を納めた.
・期待値を提示させることで,アナリストは様々な結論を想像しなければならない.
・期待値を提示させることで,アナリストは自信の主張の正しさを証明するため(自信の名誉を守るため)の非合理的な投資をせずに済む.
感想
第1章のポイントは期待値で考えること.
ヒトは結果を過程より評価する方が簡単なので好きです.
結果を重視すると,過程が適当になっていきます.
だって,結果は1つしかないから過程も1つしか考えなくなってしまう.
その発想がターゲット価格の考え方だと思います.
逆に過程を大事にすることで,色々な事象を考える事ができます.
そして,それぞれの事象が生じたときに得られる損益も考える事ができます.
それぞれの事象が起きる確率に,事象が生じたときに得られる損益を積和すれば期待値が算出できます.*2
そして,それがプラスであれば投資するべきだと判断するというのが正しい考え方ということを言いたかったのだと解釈しました.
- 作者: マイケル・J・モーブッシン,川口有一郎,早稲田大学大学院応用ファイナンス研究会
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2007/02/22
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 22回
- この商品を含むブログ (34件) を見る
*1:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%B3
*2:あるいはルービンの2番を考慮して損失分は2.5倍する