ヒトはコマですか?

最近,事業部の業績や部長会議の資料を見ることが多い.
その「秘」と書かれたA4の紙には,社内に配布されているどれとも違う独特の感じがある.


社内の全員に配られる資料には「何々グループのQC活動の結果…」「自身で考えて工夫をした〇〇班は…」みたいな見出しが登る.
そうやって,現場のヒトは自分たちがこの工場を回してるっと思わっていると思う.


「秘」の文章は違う.
そこには,現場にある非常に汎用的で融通が効き,無理を引き受ける純朴な機械について記してある.
もちろんこの機械の正式名称はヒトという.
資料にはその小型汎用機の稼働状況が生産ラインごとに並んでいる.
そういう設定で資料は綴られている.

素人が考えるとラインの生産能力は以下のような式になるとおもう.

Σ(作業者の熟練度×作業者)×労働時間=工数

作業者の熟練度(勤続年数でも可)に同レベルの作業者の数をかけて,
熟練度別にサマリーしたあとに労働時間をかける.
これは,某プロジェクト管理のシステムでも使われているアサインするリソースを判断する式である.

しかし,資料では違う.
つまり部課長クラスにとっては,次の公式がすべてなのであるのみが大事なのである.

作業者数×労働時間=工数


作業者に能力なんて存在しない.
労働時間はともに変数となる.
つまり,中学校で習った一次関数の式として認知されているのである.

上に記した通り,機械なのである.
それが機械の集合として認知されているのか,それとも大掛かりな一つの生産機械として認知されているのか?
せめて前者であることを願うばかりである.



しかも,量産品がどのくらいの工数で出来るかは決まっている.
印刷機でいうと,秒間何枚印刷できますよっていう程度のこと.

作業者数×労働時間÷必要生産時間=生産台数

という公式で,月単位の生産台数の見積が出る.

それより良くて当たり前,悪いとラインリーダーが悪いとか,工員の質が悪いとかそんな結論に至る.



あの資料を,現場のヒトが見たらなんと思うか...っと思うと製造業って悲しいよなぁ


ちなみに,海外工場に対するそれはもっと酷かったり...